2019年度から段階的に1on1を全社本格導入したTIS株式会社様。その中でも、名古屋・東京の2エリア、さらには社外常駐・社内勤務に分かれて働く管理職メンバーをマネジメントし、定期的に1on1を実施しているマネージャーの岡田様にお話を伺いました。
拠点が違っても、1on1での接し方は変わらない
━━まず、岡田様の所属する部門は何名くらいの組織なのでしょうか?
部門全体で社員は35名ほどです。その中で、東京と名古屋に拠点が分かれています
━━そのうち、岡田様が1on1を実施されているメンバーはどれくらいいらっしゃるのですか?
今は名古屋のメンバー7名、東京のメンバー1名と1on1を実施しています。頻度は、名古屋のメンバーとは月に1回、東京のメンバーとは2週間に1回程度ですね。1回30分ほどの時間を確保しています。
━━定期的に複数のメンバーの1on1を担当するにあたって、負担を感じることはありますか?
週に2名ずつ実施しているのですが、今のところ、大きな負担は感じていませんね。あらかじめ1on1の時間を確保して他の予定が入らないようにしているので、特に業務への支障はありません。
━━普段、1on1ではどのようなトピックを扱うことが多いですか?
基本的には、それぞれのメンバーが話したいことを話してもらうようにしています。出だしはアイスブレイク的に、仕事とは関係ない雑談から入ることもあります。よく出てくるトピックは、今取り組んでいるプロジェクトの課題や、1年後何をしていたいかといったキャリアの話ですね。
━━いくつかの拠点のメンバーと1on1を実施するにあたって、意識していることはありますか?
名古屋のメンバーの特徴としては、管理職7名のうち5名がお客様先に常駐していることです。社外常駐のメンバーと1on1を実施するとなると、お客様先の会議室を使わせていただいたり、時間を確保したりといった事前準備は必要ですね。また、今後の勤務場所やキャリアはどうなるのか、という見通しを気にしているメンバーもいるので、それを1on1で話すこともあります。ただ、基本的には社外常駐メンバーであっても社内で働いているメンバーであっても、1on1での接し方は大きく区別していません。
1on1ログに対してレスポンスをもらえると、手応えを感じる
━━TeamUpのツールを導入したことで1on1の進め方に変化はありましたか?
TeamUpを使う前から、1on1で話した内容を記録に残して見返す習慣はありました。ただ、事前のアジェンダ提出はツールを導入してから始めました。内容によっては、1on1までにこちらで準備できることもあるので、短い時間をより有効に使えるようになったと思います。
━━「この1on1はうまくいった」と感じる瞬間はありますか?
1on1実施後、私が書いた1on1ログに対して、相手からレスポンスがあったときは手応えを感じます。コメントで「すっきりしました」などと言ってもらえると、やってよかったと思えますね。
━━1on1を続けてみて、何か関係性の変化や手応えを感じたことはありますか?
社外常駐メンバーとの連携がぐっとスムーズになったと思います。以前は、お客様先に常駐しているメンバーと社内で働いているメンバーの間のコミュニケーション不足を感じていました。別の場所で仕事をしていると、どうしても相手の人となりを把握するのに時間がかかりますからね。ですが、1on1で話をしていくうちに社外常駐メンバーの働き方も見えてきて、「それならこんなフォローができたらいいね」という具体的なアイデアも出やすくなりました。
また、新型コロナウイルスの影響で直接顔を合わせる機会が少なくなっても、本音ベースで話し合える関係が保たれているのは良い状態だと思いますね。チャットやWeb会議でのやりとりが中心になりましたが、1on1では他の人がいる場では話しづらいことも話せるので、貴重な時間になっています。
まずは自分が約束したことを守る。小さな積み重ねが信頼関係につながる
━━本音で話せるような心理的安全性や信頼感を築くために、これまで取り組んだことはありますか?
特別何かを目指して、というわけではないのですが……普段仕事をする上で、まずは自分が言ったことをちゃんとやるとか、約束したことを守るとか、1on1の中でメンバーが話してくれたことを他の人に勝手に言わないとか、そういった1つ1つの積み重ねは大切にしてきました。それが安心感につながっているのならうれしいですね。
━━1on1を実施する際、他にも心がけていることはありますか?
1on1を始める前に会社で受けた1on1導入研修の中で聞いたポイントでもあるのですが、相手の価値観を否定しないことや、「この人はこういう人だ」と決めつけないということは気をつけています。特に若いメンバーの話を聞いていると、経験則から「自分だったらこうする」と思ってしまうこともあるのですが、できるだけメンバー自身の力で解決策を見つけてほしい。だからまずは相手の話を遮らず、引き出すことを大切にしています。
━━なるほど。研修で得たことを真摯に実践していらっしゃる姿勢が素晴らしいですね。
研修を受けて、素直に「自分が部下だったらそうしてほしい」と思ったからかもしれないです。1on1を安心安全な時間にするためにも、目標管理や評価のための面談とは、きっちり目的や場を分けるようにしています。
自分自身の上司からの影響も受けている部分も大きいです。様々な考え方、スタイルのマネージャーがいる中でも、特に社員やお客様との人間関係を大切にする部門長のもとで仕事をしてきたので、今後自分も見習っていきたいと思っています。