部下3名をインタビュー「1on1を有効活用するための工夫」

部下3名をインタビュー「1on1を有効活用するための工夫」

1on1ミーティングが社内に浸透し、上司の対話スキルも高まってきた今、1on1を部下の成長のために今よりもっと活用したいと考えている企業も多いのではないでしょうか。

部下の成長のために1on1をさらに発展させるには、「1on1は部下のための時間」「上司の傾聴が大切」といった基本をおさえながらもさらに一歩踏み込んだ対話を重ねていくことが大切です。今回は、チームアップ株式会社代表の中川が、1on1において多くの成功事例を持つTIS株式会社の渡邉様、瀧澤様、飛内様に話を伺い、受け手(部下)側目線で考える「1on1をより良い時間にするためのポイント」を語っていただきました。

スピーカー

TIS株式会社
DXビジネスユニット クレジットSaaSユニットクレジットSaaS第1部
主任補 飛内優美様

エンタープライズコンサルティングビジネスユニット ERPコンサルティングユニットERPコンサルティング第3部
主任補 渡邉航平様

IT基盤技術事業本部 IT基盤技術事業部IT基盤エンジニアリング第2部
主任補 瀧澤巧様

質問者

チームアップ株式会社
代表取締役 中川絢太

TIS株式会社
人事本部人材戦略部 エキスパート 藤原紘子様

人事本部人事部 主査 覚野千春様

充実した1on1のためには準備が肝要

中川(チームアップ):まずは、皆様の1on1の頻度や1回あたりの時間、どのような話をなさっているかを教えてください。

瀧澤:1on1は今年の4月から始め、今は2週間に1回、1回あたり30分行っています。この1ヶ月どうだったかといった振り返りをしたり、これからに向けて考えていることや悩んでいることを話して相談に乗ってもらったりしています。

飛内:私は2年ほど前から続けています。2週間から1ヶ月に1回の頻度で、1回あたり30分行っています。話すテーマは、仕事の話やプライベートの話など、その時によって様々です。

渡邉:私も2年位前に始めました。頻度は2週間に1回で、1回あたりの時間は30分です。話す内容は業務やキャリアに関することなどが中心ですが、雑談もよくしています。

中川:皆様それぞれ4ヶ月から2年ほど続けていらっしゃるということなのですが、続けてみてどのような点に1on1の良さを感じていらっしゃるのか、どのような時に「1on1をやって良かった」と思われるかを教えてください。

瀧澤:私は、ふわっとした話ができるのが1on1の良いところだと思っています。仕事中に上司と話す時は何かしらの結論を出すのが目的ですが、1on1では「どうでしょうね」「自分はこう考えるけれど、どうかな」と結論を出さずに考えを話し合うことができるので、その点が気に入っています。

中川:なるほど。上司の立場ではどうしても「部下のために答えを出さなければ」と思ってしまうのですが、逆に答えの出ない対話にもメリットがあるのですね。

瀧澤:そうですね。例えば自分が悩んでいることに対しても、一般的な当たりさわりのない模範解答より、漠然とした上司の思いや本音を聞ける方が嬉しいです。

飛内:私は、毎回自分でテーマを持って行きます。「後輩に対してどのように関わるのが良いか」といった明確な答えのないテーマについて話すことも多く、そういう話ができるのは1on1だからこそだと感じています。上司と話し合うことで解決策が見つかったり、光明が見えてきたりすると、話して良かったと思いますね。

渡邉:私は1on1で話したいことや相談したいことを事前にTeamUpに入力しているのですが、それについてアドバイスをもらえたり、建設的な話ができたりすると「良い会話ができた」と感じます。

中川:準備次第で満足度が変わるのですね。皆様は1on1の前にどのような準備をなさっていますか。

飛内:基本的にはTeamUpへの入力のみです。最新の情報を基に上司と話したいので、事前に用意しておくのではなく当日に書くようにしています。

渡邉:私も入力するのは当日の午前中です。前回の1on1以降に起こったことについて振り返りをして、上司ならどう対応するかを考えたり、相談したいことをまとめたりしています。

上司の本音を聞くことも、1on1の目的のひとつ

藤原(人事):三者三様に1on1を有効活用されていますね。皆様はそれぞれどのような背景があって1o1に積極的に取り組むようになったのでしょうか。

渡邉:1on1を始めた当初は「なんとなく上司と話す」という感じだったのですが、TeamUpに入力しておくと建設的な会話ができることに気付き、以来、入力して準備することを習慣にするようになりました。

飛内:私は、会社に1on1施策が導入された初期の頃から1on1を行っています。TeamUpが導入されたというアナウンスがあり、試しに使ってみたらとても使いやすかったので、そのまま使い続けるようになりました。せっかくの時間なので、雑談で終わらせず有効活用したい、生産性の高い時間にしたい、という気持ちで取り組んでいます。

覚野(人事):渡邉さん、飛内さんは1on1を続ける中で上司が変わっていますが、上司によって違う点はありますか。

渡邉:1on1のやり方は、上司によって様々です。話をたくさんしてくれる方もいれば、聴くことに徹する方もいますが、どちらも自分にとっては勉強になっています。

飛内:1on1の進め方について、聴くに徹した方が良いのか等、悩まれる上司もいらっしゃるので、そのような時には私から「このような形でやりたいです」とお伝えするようにしています。

覚野:皆さんの話を聞いていると、上司の努力や試行錯誤はもちろんあると思いますが、部下側の意思や準備が1on1をより良い時間になっていく、高度化していくのだなと感じますね。

中川:本当ですね。このように1on1やTeamUpをしっかり活用されている皆様にぜひお聞きしたいのですが、更なる伸びしろだと感じていらっしゃることは何かありますか。

瀧澤:私はもう少し話題の幅を増やしたいです。今は自分が思っていることについて話していますが、今後は上司の話を聞く機会も増やし、プライベートなど色々なことを話したいですね。

飛内:渡邉さんの話を聞いていて、自分が今まで振り返りをしてこなかったことに気付きました。どんどん次へ次へと進むばかりだったので、今後は振り返りもしながら進めていきたいと思っています。

渡邉:私は、今は1on1の当日に振り返りをしていますが、今後は日常的に振り返りをしながら「上司だったらどう考えるだろう」といったことを書き溜めていって、1on1の日がきたらそれを話すというサイクルにしていきたいです。

中川:振り返りを仕組み化するということですね。他に、例えば上司側にもっとこうしてほしいといった要望はありますか。

渡邉:今は部下がTeamUpに入力したことについて話すという形になっていますが、上司からのはたらきかけ(話題の提案)もあると、もっと1on1を有効活用できるのではないかと思います。上司が最近考えていることなども聞きたいです。

中川:それは上司側にとって嬉しい意見ですね。1on1は部下が話す場だからと、なるべく話さないようにしている上司も多いと思いますので。

飛内:私も、上司にもっと話してほしいと思っています。今は上司が聴き役に徹していて、私がどう思って行動しているのかを深堀りしていくというやり方で進めていますが、もし違う考えがあればそれを話してもらって議論したいですね。

1on1で視座が高まると、働き方も変わる

中川:1on1をもっと有効活用したいと考えている企業様に対して、アドバイスがあればお願いします。

瀧澤:1on1の足がかりの一つとして、日頃からなんとなく考えていることを整理して言語化し、それを話すことから始めてみるのもおすすめです。仕事に直結しない漠然とした内容でも、話してみると面白いと思います。

渡邉:1on1の活用方法は人それぞれですが、私の場合は、業務の振り返りをすることでしっかり目的を持って1on1に取り組めるようになりました。まだやったことがないという方は、試してみていただくのも良いと思います。

飛内:上司の話には勉強になることがたくさんあるので、たくさん聞き出そうという姿勢を持つことが大切だと思います。1on1に行き詰まりを感じている方は、もしかしたら特に話すことはないと思っているかもしれませんが、実は少し自己開示をするだけで話題は広がっていきます。上司の考えを色々聞くことで仕事もしやすくなるので、1on1をぜひ活用してみてください。

藤原:人事担当としては、1on1に積極的に取り組んで十分に活用して頂いている様子を伺えて、とても嬉しいです。このように充実した時間を持つようになったことで、皆さんにどのような変化がありましたか。

飛内:仕事をするうえで、上の立場の人の気持ちや考え方を少し理解できるようになりました。上司がこんなことまで考えていた、こういう思いがあるという背景を理解することで、仕事に対する自分の考え方や動き方も変わったと感じています。

瀧澤:私は、支えができたように感じています。自分が前向きに考えていることに対して「そうだね」と承認してもらえる。不安に思っていることに対して「不安に思うのは当たり前」「現時点でそこを不安に思えるのはむしろ良いことだと思う」と言ってもらえる。そのような会話を積み重ねることで、安心して仕事に取り組めるようになりました。

藤原:「そうなんだね」とそのまま受け取ってもらえるというのは、究極の承認ですね。

渡邉:私は、業務の話でアドバイスをもらい、次に同じような場面になった時に実践するという経験によって自信が持てるようになりました。上司との信頼関係も築けたと思います。

飛内:これからも1on1をもっと活用していきたいので、人事の立場から私たちへのアドバイスがあればぜひ聞きたいです。

藤原:既に、部下側として、ご自身の成長を意図してしっかり活用頂いていると思います。その上で、できれば今日話してくれたような1on1についての考えや感想を、上司の方にフィードバック頂けると良いなと思いました。毎回の1on1の最後に、「考えや気持ちを受け取ってもらえて良かった」「本音を聞くことができ、考えを深める機会になった」など。部下から率直な反応をもらうことで、上司側も次回をより良い場にするための参考にすることができます。上司と部下が協力し、お互いにとってより有意義な時間にできると良いですね。

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