事業のスピードが落ちて、コミュニケーションの課題を強く認識した
━━TeamUpを導入した背景を教えてください。
社員が10~15名くらいになったとき、社内のコミュニケーションに課題感を抱くようになりました。昔からいるメンバーと新しく入ってきたメンバーで持っている情報量が違う、隣の事業部の情報を知らない、1か月前にあった失敗を繰り返すなどの問題が起こり、事業を推進するスピードが落ちていました。
経営陣からしても、現場で起こる細かい問題を把握しきれていないという実感があったようです。また、スタートアップとして個人に対して成長を期待するわりに、組織としてそれをバックアップする仕組みがないことも課題でした。そこで、コミュニケーションを改善するために360度フィードバックや1on1ミーティングの実施を検討し始めて、その両方を同じツールで実現できるTeamUpを見つけたんです。
経営の意思決定力が上がり、会社の期待と個人のキャリアプランをすり合わせることもできた
━━TeamUpを導入してみて、どのような効果がありましたか。
メンバーだけでなく経営陣も360度フィードバックを受けたのですが、これまで気付いていなかった部分に気付けたようです。また、360度フィードバックで上がってきた内容を判断材料として使えるようになったことで、経営における意思決定のスピードや決定力が上がったと実感しています。
メンバーにとって最も良かったことは、「中長期で会社が個人に期待すること」を評価項目に組み込んだことで、それぞれが会社に期待されていることと自身のキャリアプランをすり合わせられたことですね。
メンバーが「意義」を感じているからこそ、終わったときには笑顔が見られる
━━1on1ミーティングで、成果を出すためのポイントを教えてください。
メンバーそれぞれが、1on1ミーティングに意義を感じられるようにすることが大事だと思います。SCOUTERでは、そのために心がけていることが二つあります。
一つ目は、1on1ミーティングで挙がった意見は組織の課題として捉え、経営陣も含めて改善していくことです。やりっぱなしにしないので、メンバーも率直な意見を言ってくれるようになりました。また、TeamUpに登録した1on1ミーティングのログは本人と経営陣に公開し、経営陣が必ずコメントするようにしているのも、意義を感じるポイントかもしれません。
二つ目は、1on1ミーティングを「自ら気付く場」にしていることです。360度フィードバックの結果を印刷して面談で渡し、メンバーがどこにチェックを付けるかを見ていれば、本人が重要視している箇所がわかります。その点をピックアップして話すようにしていますね。気付きがあるから、1on1ミーティングを終えたときには皆笑顔になるんです。
━━360度フィードバックや1on1ミーティングを導入するときに、「時間の確保」がハードルとなる会社が多いようです。SCOUTERさんでは、時間をどのように確保しているのでしょうか。
もともと人を大事にする社風であることが大きいと思います。また、コミュニケーションの対策にかける時間は「コスト」ではなく「投資」と捉えています。コミュニケーションを疎かにすることは組織をダメにする大きな要因になりかねないので、後回しにすべきではないというのが、私たちの考えです。
コミュニケーションの問題を早期に解決することで、事業にフォーカスできる組織を目指す
━━これから組織を拡大していくにあたって、課題はありますか。
組織が拡大したときには、今私が担っている1on1ミーティングを実施する役割を各事業部のマネジャーに移すことを考えています。そのときに、誰でも簡単に1on1ミーティングを実施できる仕組みを、TeamUpを使って整えていきたいと考えています。
また、これらの仕組みを形骸化させず、高いレベルで運用し続けるためには、マネジャーとメンバーの間の信頼関係の構築も欠かせません。私は人事として、組織のコミュニケーションを活性化し、メンバー間の信頼関係を強めるような仕掛けを今いろいろと試みているところです。
TeamUpの活用やさまざまな取り組みを通じて、コミュニケーションの問題を早期に解決することで、皆が本来考えるべき事業やサービスの問題にフォーカスできる組織をつくっていきたいですね。